月面交信
大谷翔平選手がメジャーでMVPを獲得した2021年11月19日(金)。その日の19時頃、梅田の東の空に月。三日月のように下の部分が見えるほぼ皆既月食。周りも我々の騒ぎを見てか立ち止まり、スマホのカメラレンズを夜空に向ける。まるで月の住人とテレビ電話をしているような、みんな顔をほころばせて画面を見やっている。140年ぶりかなんかってニュースで聞いていたけど、なんとも神秘的な景観。都会のビル群に囲まれて、この世の終わりが迫っているのではと感じる人もいるかもしれない。それはきっと今読んでいる『終末のフール』(伊坂幸太郎著)が影響しているからか、そんなことも感じてしまった。どうやらこの時すでにほぼ「ほぼ皆既月食」段階で、少し見上げ遅れてしまっていたらしい。そして、1時間も経たないうちに昨夜と同じ黄色くてまあるいまあるいお月様に戻っていた。儚いものです。
仕事帰りの電車、隣の男性がスマホを見ながら噴き出して笑いだす。その面白さをこちらにも共有してほしいものだ。思い返せば、高校生のとき、帰りの電車で僕も同じように笑っていた。その手には『今日から俺は!』があり、いや、『浦安鉄筋家族』やったっけ、とにかくマンガを読んであまりの面白さに思わず笑い声を出してしまっていた。それが今では文庫小説を読んでいます。とてもとても遅いスピードで。こんな男に誰か笑(しょう)をください。
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